六月議会は、15日総務文教委員会、16日建設環境委員会、17日福祉保険委員会が終わり、24日の最終本会議を残すのみとなりました。
今議会の争点は、補正予算に含まれる「国立駅周辺まちづくり整備計画策定委託費」1,632万8千円です。
☆問題点──
【1】本来、このような市の重要な政策的な委託費は、三月議会で審議される当初予算に盛り込むべきです。
【2】三月議会では何の説明も報告もなく、今議会で唐突に提案されました。
【3】丁寧な経過説明がなされていません。
今議会において、この委託費の件を三月議会に提案できなかった理由がわかりました。
市は、国土交通省の財団法人である「都市づくりパブリックデザインセンター」(UDC)に駅周辺まちづくり協議資料の作成を委託していたのですが、その報告書の提出が3月27日となったためです。
三月議会では、駅周辺まちづくりに関して、議会が空転するほど紛糾していました。その一方で、このような委託がなされていたわけですが、その事を私は全く知りませんでした。
何らかの丁寧な報告が必要であったと考えます。
【4】六月議会前に、議会に対して、3月27日にUDCから提出された報告書の説明を行うべきでした。
報告書の中でUDCは、市のこれまでの進め方の不備を何点か指摘しています。これまでにない重要な指摘でした。
事業推進体制の不在、多様な事業の輻輳、まちづくりのコンセプトの不明瞭さ等です。
また、この課題の解決のためには、意志決定のプロセスを一本化し、事業全体をマネージメントできるデザイン検討委員会の立ち上げが提案されています。
この報告書をもとに、市はUDCに今後も委託したいと考え、今議会への提案につながった訳です。
しかし、私は、初日の大綱質問で初めて上記の報告書の存在を知りました。その提出を求め、出てきた報告書を読み、再度整理してようやく事の全容を理解した訳です。
【5】議会の賛成を得るためには、行政側の努力が必要です。
3月の当初予算では一言も触れず、六月議会に1,632万8千円もの委託費を提案しても、議会にすんなり受け入れられる訳はありません。なぜ段階を追って丁寧に説明しなかったのか、本当に不思議です。
【6】どんなに良いコンサルティング会社でも、このような扱いでは、本領を発揮できないのではないでしょうか。
【7】市がJRと協議するためには、まず議会との協議が必要です。議会と協議するためには、市のコンセプトが明確に絞り込まれていることが不可欠です。
【8】市の現状認識をはっきりと打ち出すべきです。
※JRは、土地の権利問題が複雑化するので、市との協同事業をする気はない。
※JRは、今後市が予定している検討委員会にも加わるつもりはない。
※JRは、「旧駅舎の復原は、底地を有償で市が買い取る事が前提。早く市の方針を出してほしい」と言っている。
※JRは、「西側高架下のタクシープールは、構造上できない」と言っている。
※バス会社・タクシー会社・警察は、旭通り・富士見通りの一方通行は無理との判断を示した。
等々。
【9】上記のJRの意向を受け、市はどうするかを決めることが先決です。
☆補正予算に対して──
高原さん(共産党)は議長なので、可否同数の場合にのみ議長採決として自分の意志を反映できますが、原則として採決の数から除外されます。
従って、議長を除く23人の議員で採決しますので、過半数の12人以上で賛否が決まります。
現在までに賛成の意志表示を明確にしたのは、
生活者ネットワーク(3)、民主党(2)、社民党・みどり(1)、自民党新政会(2)、政和会(1)
の9人です。
原案反対で、委託費用を除く修正案を提案すると表明しているのが、
共産党(3)、公明党(4)、明政会(2)、つむぎの会(1)、こぶしの木(1)
の11人です。
残る総務文教委員長の重松さん(社民党・みどり)、建設環境委員長の石塚さん(自民党新政会)、福祉保険委員長の石井さん(自民党新政会)の3人は、委員長のために意志表示に加わっていません。
最終本会議には、この3人の賛否も加わります。
委員会の流れで行きますと、3人がそれぞれ所属する会派は賛成なので、3人とも賛成の可能性は高く、ぎりぎり過半数で可決されそうです。
もっとも、3人の中に反対の方もいるとの噂もあり、そうなると否決されますので、最後までわかりません。
また、私は保育審議会条例案に反対の意志表示をしています。
九月議会で再度提案する事にして、それまでもっと庁内の意志一致をはかるなど慎重に事前準備をしたらどうかと意見しました。
補正予算の中には保育審議会関係の予算も入っています。従って私は、駅周辺まちづくり整備委託費用のみ除外した修正案に加わる事が可能かどうかわかりません(修正案は最終本会議で提示されます)。
もし私が修正案に加わらなければ、どれも過半数にいかず、補正予算そのものが×となります。
いずれにしろ、最終本会議に結果がゆだねられる事になりました。
関口市長は、この委託が可決されなければ、12月までに基本計画をつくり、3・4・10号線の認定まで進むことはできないように話しています。
賛成の会派はその市長の考えに同調しています。
反対の会派のなかで、公明党は、2007年の(株)RIAへの委託850万円(予算額)を認めたが、市長が財源等を明確にするとの当初の約束を守らず、その事に対する反省もなく、もうこれ以上市長の言葉に対する信頼性はない、また、これまでのコンサルティング会社委託の成果が得られていない、職員でやれば良い等を理由に反対しています。
また共産党は、3・4・10号線はいらない、全体計画を縮小する、旧国立駅舎は復元の方向での見直しを求める等で、理由は異なりますが、委託を認めないことでは一致し、反対としています。
☆国立駅周辺まちづくり整備計画に関するこれまでの委託費用は──
【佐伯市政】
1999年度=194万2,500円(『国立駅周辺プラン報告書』 旧国立駅舎保存・活用について、委託先:マヌ都市建築研究所)
【上原市政】
2000年度=147万円(市民アンケート委託等)
02年度=157万5千円(『国立駅周辺地区まちづくり計画検討委員会報告書』 整備課題の整理と交通動線、旧駅舎活用について、委託先:マヌ都市建築研究所)
03年度=228万1,650円(『国立駅周辺まちづくり基本計画資料』 旧駅舎を中心とした歩行者中心の森の駅構想、南口公共施設等用地と一体化した事業について、委託先:マヌ都市建築研究所)
04年度=262万5千円(『国立駅周辺まちづくり整備資料』 旧駅舎の曳き家と保存、復原用地確保のための、南口公共施設等用地における事業の検討について、委託先:マヌ都市建築研究所)
以上全ては、旧駅舎を保存・復原する事を主眼におく計画でした。
その中で、曳き家が一番安く効率的と述べていましたが、事実としては、解体保管が断トツに効率的である事がわかりました。
06年六月議会で3度目の曳き家案が否決され、12月には旧駅舎は解体されました。この一連のでき事で、上原前市長は3期目の出馬を断念しました。
【関口市政】
07年度=286万6,500円(交通体系調査委託、委託先:パシフィックコンサルタント)
同年度=795万円(基本計画策定に向けて立ち上がった推進協議会の資料作成のため等の委託、委託先:株式会社アール・アイ・エー)
08年度=362万2,500円(推進協議会から出された基本計画案に対して示された、JRやバス会社・タクシー会社・警察などの関係機関の意見との調整をはかった整備資料づくり、委託先:財団法人都市まちづくりパブリックデザイン研究所)
委託費用のこれまでの合計は、2,433万3,150円になります。
更に今回、1,632万8千円の委託費用が加算されると、4千万円を超える委託費を使った事になります。
なぜこんなに何回も多額な委託が必要なのでしょうか。
それは、JR所有の南口広場に何が何でも旧国立駅舎を復原したいという上原・関口市長の公約にあります。その責任を明確にする必要があります。
有償で底地を買い取るつもりなら、そう明言すべきです。
☆私の考え──
私は、
※新しい南口広場に旧国立駅舎を復原しない。
※JRにできるだけ広い南口広場を求めていく。
※また、JR関連民間施設の土地と南口公共施設等用地の活用については、互いが連携できるように、密な情報交換をする。
等です。
そのためには、市長の責任で実現可能な確実な基本計画を作り、そのもとにこれまでと同様、小沢参事・門倉課長が担当者となって、JRの担当者と協議を積み重ねていくより他ないと考えます。地道かもしれませんが、同じ人がコツコツとやる事でJRとの信頼関係もできるだろうと考えます。
中央線沿線では他にはない真っすぐ大学通りが見えるワイドビューを作った事、また同じく中央線沿線では他にはない18人乗りのエレベーターを設置した事。この二つは、国立市とJRとの協議の成果です。
この方向で、新南口広場や高架下の利用計画を国立のまちの特性を考えて作っていけたら、一番スムーズで、コストも無理なく無駄なく、身の丈にあった調度良い案配に落ち着くのではないかと私は考えます。
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