私は議員になってから毎年一回、近隣市区のひとり会派の女性議員数人と続けている視察があります。
昨年は、財政再建団体になった夕張市と、そのお隣で、先進的な議会基本条例を作り、二元代表制(首長も議員も住民が直接選挙で選出)の良さをフルに活用している栗山町議会などを視察しました。
毎回、百聞は一見に如かずを実感し、良い所を国立に取り込みたいと思っています。
今回10回目は四国で、テーマは「地域の特性を活かしたまちづくり」です。
メンバーは、千葉県松戸市・我孫子市、埼玉県三郷市、東京都中野区・国分寺市、そして私の6人の議員です。
6人で、6自治体、全員無所属、女性です。
それだけでもユニークで、受け入れ先の自治体でも珍しがられます。
全員が、個性的、元気で好奇心いっぱい。そもそもが「暮らし」から政治へと出発をした人たちばかりですので、見るもの、触れるもの、食べるもの全てにアンテナが働きます。
今回も中身の濃い視察となりました。
21日は徳島県勝浦郡上勝(かみかつ)町です。
2020年までに上勝町のごみゼロを目指す、ゴミの34分別施策と、高齢者による綺麗な葉っぱを都会の料亭などに出荷する「彩り事業」を視察しました。
林業では、いわゆる「暗い森」を見学しました。
本来の自然林は照葉樹林ですが、昭和30年代、当時の農林省の推奨により、全国的に杉が植林されました。しかし近年、木材価格低下の影響により、林業そのものが衰退し、伐採や間伐という山そのものの維持に不可欠な作業が困難になり、細い杉が密集する「暗い森」となっているのです。この森では、光が地面まで届かず、草や低木がなくなり、雨水を吸収できず、大雨になると危険です。
町ではその解消に向け、杉のチップを燃やすバイオマス温泉を経営しています。
また、町営住宅は木造の一戸建てで素敵でした。
22日は愛媛県今治市です。
今治市の地域産業であるタオルのブランド化事業と、地場野菜を活かした学校給食を視察しました。学校給食では、有機野菜や無農薬野菜、地域米を使っていました。
23日午前中は、同県上浮穴郡久万高原(くまこうげん)町の営農支援センターとクラインガルテン(滞在型市民農園)を視察しました。
杉の木で作られたペンション風の小学校が素敵でした。
午後は同県喜多郡内子(うちこ)町の昔のまちなみを活かしたまちづくりを見ました。
古いまちなみのなかの中学校は、旧来のコンクリート造り3階建ての校舎を建て替え、白壁に囲まれた、木作り・平屋・単独教室と、うらやましいほどのものでした。
自然と暮らしといのちの循環がうまく融合し、温かな風土を感じました。
いたるところで、お遍路さんが歩いていました。
千年以上も続く、お遍路さん……。来るからには各々の事情があったはず。ハンセン病にかかった人たちも、他の地域では生きられず、戻ることのない遍路の旅に出たとのことです。
そのお遍路さんたちを、神に近い修行者とあがめ、接待を続ける民の歴史も、四国を包むひとつの大きな文化となっているのではないかとふと思いました。
地方自治体には、厳しい財政運営を迫られるという全体状況があります。上勝町にはさらに、過疎と高齢化という二重の「ハンディ」があります。上勝町は、その「ハンディ」に着眼し、その特性を活かし、全国でも類をみない施策を打ち出しました。
また、タオルのブランド化による地場産業のたて直しに成功した今治市、古いまちなみ保存で観光客を集める内子町など、そこには、ピンチをチャンスに変えた自治体の職員の自信と元気の良さがありました。
これは、必死で考え、いきついた“青い鳥論”、つまり「不利」とされている条件を見直し、「見えなかった」地域の良さを再発見することが、循環・再生の道につながることを教えてくれました。
本来、自治とは、地域の自然や第一次産業の価値を知り、それらを大切に活かし、ゴミを出さず、土や水や空気を汚染せず、住民を大事にし、後世に残す、そういうものなんだと思った次第です。
安心・安全は、国防でも防犯でもなく、食であり、農であり、環境であり、仕事であり、福祉であると確信しました。
6月2日から始まる議会では、二言目には「金がない」を繰り返す行政に、自治の基本を問いたいと考えています。
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